軟弱地盤に強い地震動が作用する場合、一般に地盤に大きなせん断ひずみが発生するために被害が大きくなりますが、地表面の地震動は解析上大きな値とならないことがあり、照査用震度を過小に評価してしまう可能性があります(図−1(3)参照)。このため、照査に用いる1次元の地震応答解析コードは、軟弱地盤における地震動の増幅、とりわけ、照査用震度の算定において重要となる周波数帯域の増幅を適切に評価できるものを用いる必要があります。例えば、表−1に示される地盤に対して、図−1(1)に示す地震動を工学的基盤に入力した場合、解析手法によって、図−1(2)や(3)のような結果が得られます。ここに示される照査用震度の算定方法は、図−1(2)のような地表面応答が得られる逐次非線形地震応答解析コードを用いて構築されており、同様の結果が得られるような解析手法を用いる必要があります。

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▽ 図−1 1次元地震応答解析 ▽
a) 加速度波形 b) フーリエスペクトル
(1) 工学的基盤への入力地震動
a) 加速度波形 b) フーリエスペクトル
(2) 地表面での応答地震動の例@
a) 加速度波形 b) フーリエスペクトル
(3) 地表面での応答地震動の例A





▽ 表−1 地盤条件 ▽
土層 層厚(m) 単体体積重量(kN/m3 s(m/s) ポアソン比 間隙率(%) 減衰
定数
せん断抵抗角(度)
砂質土 3.4 18.0 114 0.33 45 0.24 38
砂質土 15.1 20.0 114 0.33 45 0.24 37
砂質土 21.5 20.0 170 0.33 45 0.24 38
粘性土 10.0 17.0 150 0.33 55 0.20
工学的
基盤
20.0 300