船舶・荷役機械の大型化の進展、公共工事建設コストの縮減の要請、
港湾施設整備における環境への配慮に対する関心の増大、
研究開発の進展に伴う構造物のより合理的な設計法の導入、
土木・建築分野における設計コードの国際規格化等、
港湾施設の整備を巡る環境は大きく変わりつつあります。
港湾施設研究室は、これらの変化に適切に対応するため、
国際規格と整合のとれた、より合理的な設計法の研究開発を行ってます。
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▽ 研究課題 |
○港湾の施設の技術上の基準の国際化対応に関する研究
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国際規格原案となるEurocodesなど海外の設計基準及び国際航路会議で検討されている
港湾施設の設計ガイドライン等について、「港湾の施設の技術上の基準」との比較研究を行っています。
また、これを踏まえて,世界に日本の設計技術を発信するために、
包括設計コード策定に関する基礎的調査研究を行います。
これらは、国際規格と整合のとれた「港湾の施設の技術上の基準」を策定するための研究です。
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○港湾の施設の耐震設計法に関する研究
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従来の港湾構造物の耐震設計は、地震動の作用を静的な力に置き換えて
安全性を照査する震度法が採用されてます。
その際の荷重の算定に際しては地震動の加速度最大値をもとに震度が算出されてきました。
しかしながら、構造物の耐震性は入力地震動の周波数特性および継続時間、
地盤および構造物の周波数特性などにより変化するため、
加速度最大値のみを考慮した設計法ではなく、
これら特性を考慮した耐震設計法の構築を行っています。
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○港湾の施設の信頼性設計法に関する研究
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性能規定型設計体系においては、構造物の安全性照査方法として
信頼性設計の考え方を基礎とすべきであるとされています
(国土交通省:土木・建築にかかる設計の基本)。
このため、港湾の施設の設計法を、安全率を用いた確定的設計法から
確率論に基づいた信頼性設計法に変更するための研究を行い、具体的な設計法を提示していきます。
信頼性設計法を採用することにより、破壊確率(安全性指標)のばらつきの少ない設計が可能となります。
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○その他港湾施設の設計に関わる個別の重要課題に関する研究
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構造物の設計において対象とする目標の安全性水準を
ライフサイクルコスト最小の観点から検討することにより、
建設コスト縮減に対応した設計法の研究を行っています。
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