国土技術政策総合研究所 港湾・沿岸海洋研究部 海洋環境・危機管理研究室
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研究紹介

海洋環境・危機管理研究室は、沿岸域・港湾域の自然と調和した良好な水環境の保全・再生・創出を図ることを目的とした自然再生の実現に向け、関連施策を的確かつ迅速に企画・立案・遂行するのに必要な技術的支援および研究活動を実施しています。

沿岸環境を取り巻く状況

沿岸域・港湾域における自然再生
a) 干潟・藻場の再生の推進
水質は一時に比べ改善されつつありますが、生物生息状況は必ずしも芳しいものと言えず、沿岸域の自然再生はまだごく一部に留まっています。生物生息場の再生には長期的に継続した取り組みを行うことが大切だと考えています。
b) 生物共生型港湾構造物の開発・促進(維持管理・防災等の多機能との連携・調和)
全国各地の港湾において港湾構造物の老朽化の進行が問題になっています。沿岸域・港湾域の自然再生では生物生息場の再生が重要であり、港湾構造物の改修時には生物生息機能を付加することが考えられ始めています。また、震災で被害を受けた港湾構造物の復旧においても、環境配慮型の港湾構造物は強く求められています。防災機能と環境機能が調和した港湾構造物の技術開発が重要だと考えています。
c) 沿岸域の生態系サービスの向上
少子高齢化社会や人口減少等に起因する将来の社会的活力の減退に対し、豊かな自然環境、文化や伝統、良好な生活環境、精神的満足といった社会活力の維持・向上がより一層重要となります。沿岸域は多くの人が海と触れ合うことができる貴重な空間であり、沿岸域の生態系サービスの向上が大切だと考えています。
d) リサイクル利用の推進
これからの日本の持続可能な社会構築として、「低炭素社会」「循環型社会」は進むべき方向性の一つです。沿岸域の自然再生においても、産業副産物および建設副産物等のリサイクル材の積極的な活用が求められており、環境安全性に優れた技術の開発が重要だと考えています。
震災によって影響を受けた環境の修復 東日本大震災によって、沿岸域・港湾域の水環境は、干潟や藻場等の生物生息基盤の消失等の多大な影響を受けました。この影響は甚大であったため、生態系や底質環境等は依然として変遷過程にあります。沿岸域の復興に向け、環境修復および環境の変遷の調査は引き続き必要だと考えています。

研究室メンバー

岡田室長 室   長 (H23.9~)
岡田 知也 (おかだ ともなり)
自然再生、環境水理、物質循環
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主任研究官(H30.4~)
内藤 了二 (ないとう りょうじ)
化学物質の環境動態、浚渫土砂有効利用、底質環境改善



井芹さん 主任研究官(H25.10~)
秋山 吉寛 (あきやま よしひろ)
メタ群集、環境・生物多様性指標
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  研究員(H31.4~)
吉村 香菜美 (よしむら かなみ)
自然再生、生物との共存