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情報提供システム既存港湾施設の点検・補修・利用制限等の判断に資する情報提供システムについて



業務概要
港湾分野におけるi-Constructionの推進に関する調査研究
 建設業においては、他産業に比べ技能労働者の高齢化が著しく、担い手不足が喫緊の課題となっています。そこで、国土交通省では、平成28年から「i-Construction」の取り組みを進めており、令和6年には、建設現場のオートメーション化を目的とする「i-Construction 2.0」を開始しました。港湾分野においても、マルチビーム測深により浚渫工の出来形計測を行う「ICT浚渫工」など、ICT施工(※1)の適用工種が拡大され、また、BIM/CIM(※2)の導入が進められています。
 既存ICTの収集・整理の結果から港湾に適用可能なICTを選定し、建設生産プロセスでの導入効果を検討しています。令和6年度は、マルチビーム測深による基礎工(人力均し)の出来形計測手法と、UAVによるブロック据付工の出来形計測手法及び維持管理・災害対応への活用方策について、現地実証試験を行い、それぞれの工種について出来形管理要領・測量マニュアルの原案を作成して、国土交通省港湾局が主催する「港湾におけるi-Construction・インフラDX推進委員会」へ報告しました。
  ※1:
ICT(Information and Communication Technology;情報通信技術)を用いた施工を行うことで、施工や品質・出来形管理の効率化を図る施策。
  ※2:
BIM/CIM(Building / Construction Information Modeling, Management)とは、建設事業で取り扱う情報をデジタルデータとして統合管理することにより、調査、測量、設計、施工、維持管理等の建設事業の各段階に携わる受発注者のデータ活用・共有を容易にし、建設事業全体における一連の建設生産・管理システムの効率化を図ること。
有効求人倍率の推移
港湾におけるi-Construction施策
 出典:港湾におけるi-Construction・インフラDX推進委員会 令和6年度第2回委員会説明資料(国土交通省、令和7年2月)

港湾施設の計画的な維持管理の推進に関する調査研究
 港湾施設については、高度経済成長期に集中投資した施設の老朽化が進行し、設計供用年数を超える施設の増加が予測されています。必要な機能を維持しつつ、将来の維持管理コストを縮減するため、事後保全的な維持管理(※3)から予防保全的な維持管理(※4)への転換が求められており、このためライフサイクルコスト推計(※5)の高度化、港湾施設の最適な維持補修技術等に関する調査・研究を行っています。
 令和6年度は、維持管理情報データベースや老朽化関連事故情報システム等に蓄積されているデータを分析し、港湾施設の老朽化及び老朽化に伴う施設の利用制限等の実態を分析しました。そして、複数施設のアセットマネジメントの実現に向けて、インフラ会計を用いた資産価値評価方法の検討を行いました。
  ※3:
事後保全とは、劣化損傷に起因する性能低下をある程度許容し、供用期間中に1〜2回の大規模な対策を行うことにより、損傷劣化に事後的に対処すること。
  ※4:
予防保全とは、劣化損傷が軽微な段階で小規模な対策を頻繁に行うことにより、性能の低下を予防すること。
  ※5:
ライフサイクルコストとは、構造物の計画、設計、施工、維持管理、解体・撤去といった一連の流れにおいて必要とする総費用のこと。
供用後50年以上経過する施設の割合
予防的な維持管理への転換によるコスト縮減のイメージ
 出典:令和7年度港湾局関係予算概算要求概要(国土交通省港湾局、令和6年8月)

港湾空港分野における環境負荷の低減に関する調査研究
 平成13年度から施行された循環型社会形成に向けた施策の1つであるグリーン購入法(国等による環境物品等の調達の推進等に関する法律)に基づき、国等が重点的に調達を推進すべき環境物品等(以下「特定調達品目」という。)は毎年募集及び評価・更新が行われます。また、地球環境問題に対する取り組みの一環として、特定調達品目を始めとした環境負荷が低減できるリサイクル材料等を港湾空港工事でより一層利用することが求められています。さらに、2050年のカーボンニュートラルに向けて、港湾工事においても二酸化炭素排出量の削減が重要な課題となっています。
 令和6年度は、港湾空港工事におけるリサイクル材料の利用実績及び品質評価の情報収集・整理分析を行い、「港湾港湾・空港等整備におけるリサイクルガイドライン」の改訂方針を検討しました。また、国土交通省港湾局と共同で「港湾工事における二酸化炭素排出量削減に向けた検討WG」を開催し、港湾工事における二酸化炭素排出量削減のロードマップの検討を進めました。


最近の研究成果(直近3ヶ年に公表した国総研報告・資料)
国総研資料第1292号、UAV・AIを活用した港湾等のインフラ維持管理に関する点検診断システムの開発(その2)〜【UAV空撮画像により生成した港湾施設の3Dモデルの正確性】〜、里村大樹、2024年国総研資料第1292号「UAV・AIを活用した港湾等のインフラ維持管理に関する点検診断システムの開発(その2)〜【UAV空撮画像により生成した港湾施設の3Dモデルの正確性】〜」(里村大樹、2024年)

国総研資料第1284号、港湾インフラに関する各種情報・データの構造化と連携方策に関する検討、辰巳大介・坂田憲治・宮島正悟・小野憲司・佐野 透・長津義幸、2024年国総研資料第1284号「港湾インフラに関する各種情報・データの構造化と連携方策に関する検討」(辰巳大介・坂田憲治・宮島正悟・小野憲司・佐野 透・長津義幸、2024年)

国総研資料第1278号、GNSS鉛直測位による港湾工事における測深作業の効率化〜最低水面モデルの作成と海上地盤改良工における実地試験〜、廣瀬大輔・川上司・辰巳大介・宮田正史・川原 洋・瀬水幸治、2024年国総研資料第1278号「GNSS鉛直測位による港湾工事における測深作業の効率化〜最低水面モデルの作成と海上地盤改良工における実地試験〜」(廣瀬大輔・川上司・辰巳大介・宮田正史・川原 洋・瀬水幸治、2024年)

国総研資料第1277号、港湾分野におけるBIM/CIMの事例分析とジェネリックオブジェクトの作成、河合宏明・坂田憲治・川上 司・辰巳大介、2024年国総研資料第1277号「港湾分野におけるBIM/CIMの事例分析とジェネリックオブジェクトの作成」(河合宏明・坂田憲治・川上 司・辰巳大介、2024年)

国総研資料第1250号、マルチビーム測深を活用した基礎捨石均しの出来形管理に関する検討、川上司・辰巳大介・小川雅史・小嶋一弘、2023年国総研資料第1250号「マルチビーム測深を活用した基礎捨石均しの出来形管理に関する検討」(川上司・辰巳大介・小川雅史・小嶋一弘、2023年)

国総研資料第1249号、工事発注段階の情報に基づく港湾工事における二酸化炭素排出量の全国推計、辰巳大介・坂田憲治・川端雄一郎・中村菫、2023年国総研資料第1249号「工事発注段階の情報に基づく港湾工事における二酸化炭素排出量の全国推計」(辰巳大介・坂田憲治・川端雄一郎・中村菫、2023年)

国総研資料第1240号、機械均しの施工履歴データを活用した基礎捨石均し出来形管理の効率化に関する検討、小嶋一弘・辰巳大介・川上司・小川雅史、2023年国総研資料第1240号「機械均しの施工履歴データを活用した基礎捨石均し出来形管理の効率化に関する検討」(小嶋一弘・辰巳大介・川上司・小川雅史、2023年)

国総研資料第1226号、既存港湾施設の点検・補修・利用制限等の判断に資する情報提供システムの開発及び改良〜点検診断結果から保有性能評価・劣化予測・類似施設の情報提供等を行う評価ツールについて〜、坂田憲治・井山繁・辰巳大介、2022年国総研資料第1226号「既存港湾施設の点検・補修・利用制限等の判断に資する情報提供システムの開発及び改良〜点検診断結果から保有性能評価・劣化予測・類似施設の情報提供等を行う評価ツールについて〜」(坂田憲治・井山繁・辰巳大介、2022年)

国総研資料第1211号、ICT浚渫工におけるマルチビーム測深データを対象とした深層学習によるノイズ処理の検討、辰巳大介・小川雅史、2022年国総研資料第1211号「ICT浚渫工におけるマルチビーム測深データを対象とした深層学習によるノイズ処理の検討」(辰巳大介・小川雅史、2022年)



組織体制
室 長 辰巳 大介
主任研究官 里村 大樹
主任研究官 大倉 翔太
研究員 曽木 清雅
交流研究員 山本 淳史


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